峠に散ったいちごワイン
(「グレートツーリング '94 in 紀伊半島」にて)
| オレの名前はオユタ。今ウメと一緒に高野山目指してライディング中だ。カンちゃんとマコちゃんは先程いちご狩りをした貴志川町からそれぞれ別ル−トで同じ場所に向かっている。今晩は先程いちご園で買ったいちごワインをたらふく飲むぜ。きっと甘くておいしいに違いない。 |
| それにしても国道に昇格したばかりのこの峠道、細いもんだから1台遅い車が走っているとすぐ10台位が数珠繋ぎになってしまって抜くのが大変だ。時々センタ−ラインのある広い道になるので(といっても数百mにすぎないが)、そんな時はアクセル全開でごぼう抜きさ。けっこう攻めがいのあるワインディングだが、しばらくするとまた数珠繋ぎ。そして抜く。そんな事を幾度となく繰り返していた。今また8台位の車の後ろを走行中だ。おっと、道が広くなったぞ。しかも直線だ。ウメが抜きにかかった。やるな、一気に全部抜かしちまいやがった。オレも既に半分はパスした。当然車線は右側。このままいけばあと5秒とかからずにもとの車線に戻れるだろう。お？右カーブだ。しかし見通しはいいし対向車も来ない。コーナーの中間あたりで左側車線に入るのがベストであろう。むう？路面の継ぎ目がちょっとした段差になって・・・“ガコン!!”ふう、別に大した事は・・・後ろの荷物は大丈夫かな？バックミラーを見るとアスファルトの上を、ななな何だ、赤いモノがパーッと、路面に這い広がり散っていく・・・。ああなんて美しいんだ。すべての物を破壊し尽くす、これぞ紅蓮の炎、名付けて“いちごワイン爆弾”だぁ?! |
教訓「ゆるいゴムには気をつけよう!」
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