20世紀最後の秋も深まり、シーズン走り納めツーリングの時期となった。おりしも、「ズームイン朝!」で新蕎麦(そば)のレポートを見てしまった私は、すっかり蕎麦モードになってしまい、「そば、そば。」としきりに主張して、木曽方面への「新蕎麦を食べに行こう」ツーリングが企画された。目的地は開田村に決定!メンバーは、ウメ(GSX1300R)、カンちゃん(FZR250R)、ヒロ(GPZ900R)、そして私(ZZ-R400)である。 |
その数日前、メンバーと久々に峠を走った。そして置いて行かれた。「マコちゃん、以前のアクティブさはどこへいったの?昔は結構ついてきてたのに。」とウメ。「もっとガンガン開けなきゃ。」とオユタ。「そりゃ、みなさん大型化してるから、パワーの差が如実に現れているだけでしょ。立ちあがりとか全然違うし。」とは言うものの、確かに遅い。でも、当の本人は以前と同じつもりでいて、「最近フケなくて。」とか言って(GWのツーリングのあと散々ほっぽって置いたくせに)バイクのせいにしている。 |
さて、新蕎麦ツーリング当日は天気もよく、絶好のツーリング日和となった。R19を南下して木曽福島からR361を進む。道路もすいていてスイスイ。気持ちいい。 R361は地蔵峠を越える旧道を選択。峠展望台から御岳を望む。いい景色だぁ。でもここまでの峠道でも遅れる。「やっぱウデだなぁ。」などと納得しつつお腹がすいた頃、ランチタイム。 ざる蕎麦が運ばれてくる。いい香りだ。新蕎麦の香りと歯ざわりを堪能し、野麦峠越えの帰路に着く。 |
山間の村を結ぶ道路だけに、それなりに整備されている。アクセルを開ける。「オッ!反応いいじゃない。」急に機嫌が直ったかのように調子がいい。「なんだ、結構イケるじゃない。これだよ。コレ。」と気分よくみんなについていく。 が、野麦街道へ右折した頃、足元からなにやらガラガラと音がする。この異音、アクセルのオン・オフに連動し、だんだん大きくなって来る。峠の茶屋にさしかかる頃、パワーが落ちてきた。試乗したウメ曰く「コレじゃ峠でついてこれんわ!パワーが全然伝わってない感じだな。」まぁ、こんな山の中ではどうにもならないので、帰ってから原因を探ることにした。 |
峠の茶屋にはビッグマシンがずらり。が、ライダーの年齢層は我々とさほど変わらない。要は、一時のブームを支えた年齢がそのままシフトして、決して底辺が拡大しているわけではないのだ。この業界の行く末は?なんて余計な心配もしてみる。 |
そう、こんな心配してる場合じゃなかった。異音は増々大きくなり、スロットルを目一杯ひねっても全然進んで行かない。後もうチョイで奈川渡ダムという所でついにエンジン停止。コレまでに体験したあの燃料が落ちてこない感じ(普通はこの体験もないんだけど:歴代マシン紹介参照)のエンジン停止とは明らかに別物。すり抜け、追い越しで隊列がバラけること前提で、次の目的地(道の駅風穴の里)まではそれぞれ行くことになっていたが、「ふと見たらいなかった。」とすぐ先でヒロが待っててくれた。 |
再始動し発進するが、民家の犬が驚いて吠えまくるくらいの、「(ヒロ)トネンル内はスゲー音。」が奈川の谷に響き渡る。どんな音がしようとも何とか麓までは降りてやると思っていたものの、車の流れについていくことに身の危険を感じ、R158との合流点でついにリタイア。ウデが悪いのをマシンのせいにしたからばちが当たったのだろうか。日頃乗ってやんなかったのがいけなかったのだろう。 幾多のトラブルにも遭遇しながら全国制覇を成し遂げ、日本最北端の地を制したZZ-R400号のあっけない幕切れであった。 |
バイク屋にピックアップを依頼し回収。オイルポンプの故障に端を発し、オイル切れからエンジンのカム近傍のプレーンベアリグが磨耗し、コンロッドが周囲に当ったゆえの異音であることが判明。まともに修理するとエンジン載せ換えた方が安いようだ。はっきり言って、同型の中古が買える値段。高い蕎麦になった。 |
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