コンパクト化の代償〜完結編〜

(ウメのレポートその6)

 エピソード「コンパクト化の代償」を執筆しているうちに、妙にむかついていた。考えてみれば、デジカメのバッテリ―残量を常に気にしながら、いや、バッテリー切れにおびえながらツーリングするのは、いかがなものか。ある意味、既にPENTAX Optio 330GSに負けているということにはなるまいか。こんなことに気を取られて事故でも起こしたら、取り返しがつかないではないか!?これは 私の人生がかかっている問題といえる。
 というわけで、Optioは子供の成長記録用として、かみさんに譲渡し、私は発売されたばかり(2004年4月当時)の400万画素デジカメ、CASIO EXILIM EX-Z40を購入したのであった。
 400万画素なのに、Optioと比較して約2分の1の大きさである。当然軽い。液晶モニタも大きく(2型)見易い。そして、こいつのウリのひとつは、1回のフル充電で約360枚(モニタオン、CIPA規格の電池寿命測定方法)撮影可能という、バッテリー容量にある(リチウムイオン)。
 まあ、カタログ値通りにいくかは、実際に運用してみなくては分かるまい。という訳で、EXILIMを(購入した1週間後の)「グレートツーリング '04 in 茨城 & 千葉」に持参した。メモリは256MBのSDカード。デフォルト画質設定で約160枚撮影可能なメモリ容量だ。2泊3日のツーリングには充分であろう。Optioの時は、カメラ本体と予備の電池、加えて携帯電話と財布、運転免許証等をベストのポケットに入れていた。おかげで重くて、肩が凝ったものだ。この部分に関しては、かなり改善された。軽量化はもちろん、予備電池も必要なくなったのである。何しろ、体積的には携帯電話とほぼ同じである。そう、携帯電話をふたつ持ち歩いているようなものなのだ。
 EXILIMの充電は、専用のスタンドに立てて行う。このスタンドも大した大きさではないので、かさばることはない。1日目は約50枚撮影した。電池残容量はMAX表示だったが、念の為に宿で充電した。あとの3日間(私だけは他のメンバーより1泊多かった)は充電せず、合計(3日間)約90枚撮影した。撮り直しも多かったので、実際にはもっと多く撮影したことになる。フラッシュもけっこう使用した。それでも、帰ってきた時点での残容量はMAX表示のままだった。更に、メモリが一杯になるまで自宅で撮りまくるも、結局、警告表示にはならなかった。実際問題、256MBのカード1枚分なら、充電なしで撮影できそうである。
 デジカメの書き込み掲示板とかでは、画素数の割には粗いだの、EX-Z40の画質に関しての評価はイマイチであるが、L判程度のプリントでは全く問題ない。Optioよりも劣っているとも思わない。大体が、このサイズで贅沢言ってんじゃねぇ!文句あるなら一眼レフを買え!と言いたい。
 何はともあれ、高い投資ではあったが、これでめでたくツーリングの不安要素がひとつ解消された。

安全はカネで買える。


 しかしまあ、あっという間にコンパクトデジタルカメラも、カシオ計算機を皮切りに、1,000万画素の時代に突入しましたなぁ…。ところが、しょせんは小さなCMOSのコンパクトデジカメでは、画素が細かくなるだけで、画質という点では限界がある。このエピソードの後、画質にこだわり始めてしまった私は、“あれだけコンパクト化にこだわったのに、今更一眼レフのデジカメは買えない…”ということで、コンパクトデジカメの中で最高の画質を求めて、毎年のように様々なメーカーの機種に買い換えたのであった…。
 そして得られた結論…、それは、“ツーリングに持って行くのはそこそこの画質のコンパクトデジカメとし、普段使いは一眼レフ!”という割り切った(開き直った)ものだった。そう、結局一眼レフも買っちまいました…


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