グレートツーリング '96 in 九州 |
メンバー(マシン) | ウメ(ZZ-R1100)、オユタ(CBR900RR)、カンちゃん(FZR250R)、ヒロ(CBR250 FOUR)、マコちゃん(ZZ-R400) |
4月28日(日) | 天気:晴れ | ||||||
8時、長野自動車道みどり湖PAに集合。絶好のツーリング日和だ。隊列はウメ、オユタ、カンちゃん、ヒロ、マコちゃんの順番である。 長野自動車道→中央自動車道→名神高速と順調に走り、西宮で高速を降りると、R43で六甲アイランドを目指した。 昨年の阪神淡路大震災の傷跡は今も生々しく、いたる所で復旧工事が行なわれていた。そういえば「グレートツーリング '93 in 四国」の時に立ち寄った芦屋駅も、その時に走った阪神高速道路も全壊してしまったのだ。 18時、阪九フェリー「せっつ」は神戸を後にした。GTEC達は甲板に出ると、建設中の明石大橋の巨大な橋げたをバックに記念撮影した。完成の暁には、あの橋を通って四国に行くぞ! | |||||||
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4月29日(月) | 天気:曇り | ||||||
7時、新門司に上陸!近くのコンビニで朝食を済ますと、青ノ洞門目指して出発した。まだ朝早いこともあって交通量は少なく、県道25号線→R10→R212と順調に走行できた。 中津市でR212に入る直前、山国川の橋を渡ることによって、5人は大分県に突入したわけだが、この瞬間、ウメ、マコちゃんのバイクによる47都道府県制覇が達成されたのである!!ここまでの道のりは長く険しいものであった。(エピソード「全国制覇への道のり」を参照のこと。) 青ノ洞門。その昔、この付近は巨大な岸壁で、通行人は鎖を伝って往来していた。その為、人馬が足を踏み外して転落し、死傷することが多かったのだ。それを見た禅海和尚は、独り鑿(のみ)と槌(つち)で岸壁に向かい、30年をかけてトンネルを掘ったのである。今では自動車用のトンネルができているが、当時の手掘りトンネルも残っており、禅海和尚の偉大さを感じることができる。 お次は青ノ洞門のすぐ近くにある羅漢寺に行った。ここは五百羅漢など3770体の石仏が、切り立った岩場に所狭しと置かれている。なんともおどろおどろしい雰囲気が漂っていて、ヒロはついにカメラのシャッターを切ることができなかった。何か違うものが写っていたら嫌だと思ったのだ。 羅漢寺を後にすると、耶馬溪を眺めながら県道28号線を南下し、R210を東進する。途中、ドライブインで昼食とした。 由布院から県道11号線に入って別府に向かう。由布岳、鶴見岳を左手にした、けっこうなワインディングである。ほどなく別府市街に到着。 本日の宿、別府ユースホステルは傾斜地に建てられていた。駐車場は建物1階のせり出した部分の下にある(それほど傾斜しているのだ)。ウメは道路から駐車場に入る時、どこに停めようかと一旦停止した。ところが、急な坂道である道路から駐車場へのアプローチは、かなり急激に角度を変化させてあり、停止した場所の悪かったウメは、足がなかなか地面に接地してくれなかった。フロントから見て左側に傾いていくZZ-R1100。もはやどうすることもできず、そのままガシャン!!唖然呆然とするウメ。その光景を見ていた宿のオーナーが「ああ、そこ、バイクはよくやるんだよね〜。」と言った。さっき駐車する場所を聞いた時に言ってくれよ…、とウメは思った。被害状況は、ブレーキレバーのエンドが削れ、バックミラー、カウル、マフラーに傷が付き、フロントウィンカーにヒビが入った。走行に支障はない。 | |||||||
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4月30日(火) | 天気:曇り時々雨 | ||||||
今日も別府ユースホステルに連泊である。当初の予定としては、バイクで別府市のメジャーどころを廻る予定であった。しかし予報は曇り時々雨(既に降っている)。せっかく連泊なのだから、カッパを着てバイクに乗ることもなかろうと、5人はバスで別府駅に向かった。観光タクシーをチャーターしようというのだ。バスの中では日本語の後に韓国語のアナウンスも流れていた。それほど別府は韓国人観光客が多いのである。 駅に入るなり、いかにも観光客っぽく見えたのであろうか、観光タクシーの運転手が声を掛けてきた。交渉成立。大型タクシーなので、5人とも1台に乗り込むことが出来た。 コースはおまかせ。とはいっても、あまりチャラチャラした所は嫌なので、歴史的価値のあるスポットをチョイスしてもらった。 まずは地獄めぐりだ。かまど地獄、血の池地獄等々…、地中から熱湯や熱泥が噴出し、カラフルではあるが、まさに灼熱地獄を思わせる。ちなみにこれらの温泉に入浴はできない。そんなことをしたら、一瞬で焼け死ぬであろう。 そして湯の花を製造している所を見た後、露天風呂に入り、大原邸(武家屋敷)、戦艦ミズーリ号の艦上で降伏文書に調印した重光葵の家、日本一の大そてつがある松屋寺等、GTECのメンバーの誰も知らなかったような、しぶ〜い観光スポットを案内された。 最後にあま〜い観光スポットにも連れて行ってもらったのだが、詳しいことは控えさせていただく。 | |||||||
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5月1日(水) | 天気:晴れ | ||||||
おととい来た道を由布院まで戻り、やまなみハイウェイに入った。この道はつい最近まで有料道路だっただけあって、実に快適である。とはいっても交通量がけっこう多く、クルマの流れに乗ってゆっくりと走っていた。メインイベントである牧戸峠も、遅いクルマ達に引っ掛かってストレス溜まりまくりである(ほとんどが追い越し禁止)。牧戸峠を下ったR442との交差点付近にあるドライブインで昼食とした。 ウメとオユタは納得できず、昼食を手早く済ますと、再び牧戸峠に走りに行った。(他の3人も誘ったが、「行ってらっしゃ〜い。」と言われてしまった。) 幸い南側からの登りはすいており、峠の頂上で引き返してきた2人の表情は満足げであった。 やまなみハイウェイ終点からR57に入って、少し西進した所でカインズホーム(ホームセンター)に寄った。休憩がてら、ウメは立ちゴケで付いたカウルの傷を目立たなくするべく、タッチペイントを購入した。 阿蘇駅で左折し、阿蘇山を目指す。標高が上がるに従って、ガスが立ち込めてきた。視界が悪く、ノロノロ運転せざるを得ない。阿蘇火山博物館駐車場にバイクを停めて、そこにあるであろう草千里ヶ浜をバックに記念撮影。とにかく付近一帯は濃いガスに包まれていて白一色である。みんな阿蘇山を楽しみにしていたのに、残念だ。もっとも、ウメ、ヒロ、マコちゃんは、以前「グレートツーリング '92 in 九州 & 沖縄」で、天気のいい日に来ていた。「(オユタ、カンちゃん)何も見えね〜。噴火口はどっちだ?」 お次は白川水源だ。名水100選に選ばれた、湧き水の美しい場所である。阿蘇山を南側から下り、R325を少し東に進んだ所で、標識に従って水源を目指す。ところが、次第に道が入り組んできて、やがて先頭のウメは現在位置を見失ってしまった。とりあえず全員停止し、ウメは、「偵察機発進!!」と叫ぶなり、他の4人を残して単身偵察に出た。ところが待てども待てどもウメは帰って来ない。「(マコちゃん)はは〜ん、ウメは水源を発見して、そこで我々を待っているのだな。別にここで待てとは言っていなかったからな。」「(オユタ、カンちゃん、ヒロ)よし、行こう!」4人は出発した。 ウメは完全に迷っていた。なんとか先程停止した場所まで戻ることは出来たが、そこに他のメンバーの姿はなかった。「(ウメ)さてはオレがあまりにも遅いから、怒って先に宿に向かったな…。ふっ、いい度胸だ。追い着いてやるぜぃ!!」ウメは本日の宿泊地である高千穂目指して思いっきりアクセルを開けた。 他の4人はというと…、マコちゃん先頭で、地元の人に道を聞いたりして、なんとか白川水源にたどり着くことは出来た。しかし苦労して来た割にはどうってことはない景色で、水そのものに価値のある場所であった。現地には予想に反してウメがいなかったので、別れた場所まで戻ったが、そこにも彼はいなかった。「(マコちゃん)仕方ない。先に行こう。」土手に棒で「ウメへ 先に行く」というメッセージを残して4人は出発した。(もちろん、先に出発したのはウメである。) ウメはR325を飛ばしまくり、ほどなく高千穂町の「ユースホステル大和屋」に到着した。「(ウメ)これだけ飛ばしているのに追い着かないのはおかしい。」と思っていたが、案の定、他の4人は来ていなかった。とりあえずチェックインをし、のんびり待つ。しかしなかなかやって来ない為、阿蘇で購入したタッチペイントでカウルの傷を補修した。それでも彼らはやって来ないので、散歩に出た。しばらく歩くと、信号待ちをしている4人を発見。彼らのやって来た方角は、全くの反対方向ではないか。「(ウメ)なんでこっちから来たの?」「(マコちゃん)迷ってんだよ!」つまり、一旦通り過ぎてしまい、引き返して来たのだ。とにかく、これで全員が揃った。 | |||||||
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5月2日(木) | 天気:晴れ | ||||||
高千穂町観光スポットの目玉は、何と言っても高千穂峡と天岩戸であろう。まずは高千穂峡。宿から高千穂峡までは約1km。大した距離ではないので、歩いて行くことにした。途中、「夜神楽」で有名な高千穂神社にも寄った。50mくらいの断崖絶壁を縫うようにして流れる五ヶ瀬川。高千穂峡はなんとも幻想的で涼しげな雰囲気に満ちた場所である。時間があれば、ボートにも乗ってみたかった。 宿に戻ると、バイクで天岩戸神社目指して出発した。県道7号線を7kmほど北上して到着。天岩戸神社といえば、天照大神が隠れたといわれる天岩戸があることで有名である。とはいっても天岩戸は川を挟んだ崖の中腹にあり、遠く眺めるだけである。 R218、R388を経てR10にアクセス。R10を海沿いに南下する。都農の辺りでリニアモーターカー実験線展望台の看板を発見し、寄ってみることにした。 延長7kmのリニアモーターカー宮崎実験線は、今まで数々の走行試験を行ってきたが、今年山梨の実験線にバトンタッチし、その役目を終えた。展望台は資料館にもなっていた。パネルや実物大模型等、なかなか見ごたえが…、いや、施設は老朽化が進んで朽ち果て、展示物もホコリがかぶり、至る所スプレーによるラクガキがされ、見るも無残である。この施設はJRの浮上式鉄道開発本部からとっくに見放され、放棄されている。哀れ…。 佐土原町で一ツ葉道路に入った。潮風を切って海岸線を真っ直ぐに走ることができる。フェニックスが立ち並んでいて、南国ムードたっぷり。そう、南国だけあって、Tシャツ1枚でちょうどいいくらい暑い。 R220に入って少し走ると、青島に到着。本日の宿泊地である「青島国民宿舎」にチェックインした後、夕食までの間、砂浜でのんびりしていた。 | |||||||
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5月3日(金) | 天気:晴れ | ||||||
ひとくちに“青島”と言っても、島そのものを指す場合もあれば、ここら辺一体を言う場合もある。国民宿舎は島から数百m離れた本土側にある。朝食を済ますと、宿から歩いて“島”の青島に向かった。橋で繋がっているのだが、ちょうど干潮時で、岩の上を歩いて渡れた。島の周囲には“鬼の洗濯板”と呼ばれる波状岩が連なっており、そのみごとなまでの規則正しい造型に目を奪われる。島の中央には、亜熱帯の植物に囲まれた青島神社がある。参拝して、橋を渡って宿に戻った。潮が満ちてきて、岩の上は歩けない状態になっていた為だ。 宿をチェックアウトして出発し、R220を20kmほど南下した所で、突然丘の上にモアイ像を発見!これは記念撮影するしかないぞと近付いてみたら、サンメッセ日南という観光牧場であった。中に入るには入場料金がかかる(700円)。今日は時間的に余裕があるので、寄ってみることにした。ちなみに駐車場は満車であり、駐車待ちのクルマが長い列を作っていたが、バイクはフリーパス。係員の指示に従って、ゲート近くに停めることが出来た。海を見渡せる丘に、牧場、各種施設が点在している。敷地は広大で、移動にラウンドカーを貸し出しているほどだ。サモア人によるサモアショーもあったが、イマイチお客さんのノリは悪かった。先程目撃したモアイは、太平洋をバックに7体並んで立っていた。イースター島の代表的なモアイである“アフ・アキビ”を完全復刻したのだという。1体あたり高さ5.5m、重さが18tもあり、間近で見ると迫力がある。南国を感じさせる牧場であった。 お次は都井岬。R220からR448に入って海沿いを南下する。これらの道は、日南フェニックスロードと呼ばれ、なかなか快適であった。岬の入り口で牛馬保護協力費の100円(実質的には通行料)を払い、6kmほど走って都井岬に到着。白亜の都井岬灯台が迎えてくれた。ここは日本で唯一の野生馬の生息地である。確かに野生馬はいた。しかし人なつっこく近寄ってきて餌をねだる。警戒心はまるでない。これではどこぞのニホンザルと一緒ではないか。プライドはないのか!?(実はニホンザルもいる。) 岬からR448をしばらく走ると志布志港が見えてきた。そして19時45分、フェリーは九州を後にした。 フェリーは2等寝台だった。同室のおじさんと話が弾み、阪神高速道路を走るのは初めてで不安だと言うと、大阪の詳しい地図とマグカップのお土産をくれた。旅はこういった出会いがあるから楽しい。 | |||||||
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5月4日(土) | 天気:晴れ時々曇り | ||||||
いよいよ最終日。9時45分に大阪南港に上陸。阪神高速道路目指して出発した。 阪神高速道路への入り口はフェリーターミナルのすぐ近くにあり、先頭のウメは(昨日ゲットした)地図を頭に入れていた。少し走った所での信号待ち、ウメは左折レーンで停止した。「阪神高速道路天保山方面左折」の標識が出ていたからである。ふと右を向くと、残りの4人はマコちゃんを先頭に直進レーンで停まっている。「阪神高速道路堺方面直進」の標識は出ているが、確か堺は反対方向のはずだ。ウメは左折だとジェスチャーした。しかしマコちゃんは自身ありげにまっすぐを指差す。その確信に満ちた目を見たウメは、「そうか、こっちからも行けるのか。」と思い、マコちゃんに従って直進することにした。南港南入り口の料金所でお金を払っている時、やはりウメは心配になった。そして本線に入る前に左に寄って停車し、一応全員で地図を確認した。やはりどう見ても反対方向である。マコちゃんは単純に勘違いをしていただけだったのだ!既に料金所を通過してしまった以上、一区間は走らなくてはならない。5人は次の三宝で下り、出口でUターンして再び阪神高速に入り直した。 その後は、阪神高速→名神高速→中央自動車道と順調に走ることができた。恵那峡SAで休憩後、オユタ、カンちゃん、ヒロは中津川ICで高速を降り、R19で北上することになったので、このまま高速で帰るウメ、マコちゃんと別れた。というわけで、今回のツーリングは事実上、ここで「解散」となった。 |
グレートツーリング '96 in 北海道 |
メンバー(マシン) | ウメ(ZZ-R1100)、ネーネ(ZXR250R)、スペシャルゲスト:フクちゃん(XANTHUS) |
当初は多数エントリーしていたのだが、フェリーの予約がなかなか取れず、出発日を前倒ししていったら、「有休が取れね〜!」と次々にリタイヤしていった。結局残ったのはウメ、ネーネ、そして昨年夏の「グレートツーリング '95 in 東北」にも参加した、ウメの会社の同僚であるフクちゃんの3人だけとなってしまった。フクちゃん以外は北海道ツーリング経験者である。 |
8月7日(水) | 天気:晴れ | ||||||
15時、穂高ドライブインに集合。R147→R148と直江津目指して北上する。平日の昼間ということもあって道はすいており、行程のほとんどが山間部なので、真夏の晴天とはいえ暑さも厳しくなく、快適なツーリングであった。 17時30分頃には直江津港に到着。ゆとりを持って出発したのだが、いささか早く着きすぎたか?フェリーの出港は23時55分なのだ。 チケットの手続きを済ませ、とりあえずは夕食を食べることにした。おいしい海の幸でもと思っていたのだが、港付近には飲食店が何もなく、仕方なくバイクで出掛けた。しかし、結構走ってもなかなかおいしそうな店は発見できず、適当にレストランに入った。バイクでなければ、ビールでも飲みたいところだ。そう思ったのはウメとフクちゃんのみ。「(ネーネ)ビールはねぇ〜、コップ半分で目が回るんだよ〜。」 散々暇を持て余して、ようやくフェリーは岩内目指して出港した。明日の夕方には北海道に上陸だ! | |||||||
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8月8日(木) | 天気:晴れ | ||||||
日中、3人は北海道上陸を前にして否応なしに気分が盛り上がり、マップを見ながら計画を立てていた。(大まかなルートは決まっており、宿の予約も取ってある。) そして17時頃、ついに岩内港が見えてきた。空は晴れ渡っているが、風がやたらと強い。出迎えに手を振る人々の顔もしっかりと確認できるほどまでに近付いた。「あ、xxさんよ!」と乗船客も陸を指差す。…あれ?停船したぞ!?「本船の船長であります。ただ今、強風の為に接岸ができない状態であります。しばらくお待ちください。」う〜む、しばしお預けか…。 ところが待てども待てども風は収まらず、むしろ強くなっていく。フェリーは何度か接岸を試みたが、ついに…。「大変申し訳ございません。予報によりますと、風はますます強くなり、この場所に留まること自体が危険になりつつあります。よって本船はこれより室蘭に向かいます。ご迷惑をお掛け致します。」ガ〜ン!!冗談はよしこさん。だってわずか数十メートルという所まで来て、それはないでしょ!?「ふざけるなぁっ!!船長呼んでこぉ〜い!!」とトラックの運転手達が船員に詰め寄る。彼らには生活がかかっているのだ。気持ちは分かる。しかし、自然相手には逆らえない。フェリー会社にしてみても、危険を冒して接岸を強行し、事故でも起こしたら大変である。 さて、この混乱の中で、すかさずネーネはウメの手を引っ張って電話ボックスに向かった。(携帯電話は“圏外”) 電話ボックスに入るなり、なるほどすぐに後ろに長い列ができた。さすがはネーネ。ウメは本日宿泊予定の岩内にある旅館に電話した。事情を説明すると、無料でキャンセルできた。 こうしてもう1泊フェリーに泊まることになったのである。室蘭着予定は翌日の3時頃。夜中である。フェリー会社はお詫びにレストランの食事を無料とした。1泊分おカネが浮いたのだし、よしとしよう。とはいったものの、明日の宿(羽幌町)は決まっているので、室蘭からのルートを3人は検討した。 | |||||||
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8月9日(金) | 天気:雨のち曇り | ||||||
3時30分、フェリーは室蘭港に到着した。まだ真っ暗である。さすがにここでも接岸できませんでした、といったオチはなかった。下船間際、フェリー会社の人に1,500円入った封筒を1人1人渡された。いやぁ、そこまでしてくれなくてもいいのに…。しかし「そんなもんいるかぁ!!」と断っている人もいた。 苦難の道のりであったが、いよいよ上陸!って、いきなり雨なんですけど。しかも涼しさを通り越して寒い。とりあえずフェリーターミナルに入って状況確認。天気予報は道南の方が悪く、ここで待っていても雨が上がる見込みはない。道央は雨のち曇りである。 4時30分に出発。まずは地球岬に寄った。薄明るい中、さすがに誰もいない。肝心の眺めは…、霧で何も見えない!トイレの屋根の下でしばらく待ってみたが、状況に変化はない。雨も相変わらず降り続いている。仕方ないので出発した。 R36を苫小牧に向かって走る。まだ交通量は少なかったが、雨の為にスピードが出せないし、かなり寒い。震えながらの北海道ツーリングスタートとなってしまった。特にネイキッドのフクちゃんは辛い。更にカッパを着ていると、コンビニですら入るのに気が引けてしまい、行動にだいぶ制限がつく。自然と気持ちも沈んでいくというものだ。開店前の(まだ7時前だ)巨大なドライブインに立ち寄り、ひさしの下で休憩した。 苫小牧からR234を北上すると、岩見沢あたりで雨が上がった。道もドライになった。物産センターでとうもろこしを食べる。ライダーの姿もたくさん見掛けるようになって、ようやく3人は北海道にいることを実感できた。気を取り直して北海道ツーリング再開だ。雨が上がると、気候的には涼しく、ちょうどいい感じになった。 岩見沢からR12、滝川からはR275に入り北上を続け、北竜町の道の駅「サンフラワー北竜」で昼食を食べた後、「ひまわりの里」を見た。ここは日本一を誇る、見渡す限りのひまわり畑なのである。季節的にはちょうどよかった。満開である。これで青空ならば最高だが、そこまで欲張ってはいけませんな。そもそもフェリーが室蘭に着いたからこそ見ることができたのだから。 留萌から海沿いにR232を北上する。羽幌町に本日の宿、富士屋旅館はあった。沖に焼尻島を臨む、「男はつらいよ」の寅さんが出てきそうな静かな港町である。夜、その寅さんこと俳優の渥美清さんが亡くなったことをニュースが伝えていた。合掌。 | |||||||
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8月10日(土) | 天気:曇り時々晴れ | ||||||
今日は紋別まで海沿いをひたすら時計回りに約350km走る予定である。しかも全て一般道。本州でそんなことをしたら疲れ死んでしまうが、北海道ならさほど無理な行程ではない。とはいえ、雨が降ったらどうしようと計画段階から心配していた日である。幸い雨は降りそうにない。まずは稚内を目指して出発した。 R232を海沿いに北上し、途中道の駅「富士見」で休憩。そこから少し行った天塩から道道106号線に入る。この道はひたすら真っ直ぐで、左手には利尻島、右手には100種類以上の寒冷地植物が湿原を覆うサロベツ原野が広がる。途中、眺めのいい所にバイクを停め、写真を撮りまくった。 稚内駅前のラーメン屋で、昼食に稚内ラーメンを食べた。さすがは本場。おいしかった。 しばらく走ると宗谷岬に到着。日本最北端の地である。売店で日本最北端到着証明書をもらった。岬近くに、日本最北の海水浴場があったが、ちょっと泳ぐ気にはなれない涼しさだ。 ここから紋別までのR238は信号がほとんどなく、追い越しもOKな制限速度60km/hの道で、しかも適度なワイディングもあったりする。取り締まりは怖いが、こんな快適な道で飛ばすなというのも無理があろう。先頭のウメは巡航速度を次第に上げていった。最初ウメは直線ならともかく、ワインディングではネーネが付いて来れないのではと思った。しかしそんな心配は無用であった。ネーネは常にぴったりと付いて来ていた。途中、地に足をつけたのは、休憩の為に立ち寄ったコンビニくらいではなかったろうか?「(ネーネ)楽しい道だったね〜。」 紋別港には、色とりどりの大量旗を掲げた漁船がたくさん停泊しており、これもまたひとつの北海道らしさを醸し出していた。 | |||||||
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8月11日(日) | 天気:曇り | ||||||
網走目指してR238を南下。途中休憩したサロマ湖、能取湖にはサンゴ草が群生していてきれいだった。 網走駅近くの食堂で昼食を食べ、網走湖の近くにある「博物館網走監獄」に行った。開拓時代の網走刑務所を移築、復元した博物館で、当時の様子を知ることができる。人形が妙にリアル。 博物館を後にし、R243で美幌峠を超え、屈斜路湖で道道52号線に入る。今にも雨が降り出しそうだ。やがて硫黄山が見えてきた。標高510mの活火山で、山麓から山頂にかけて随所で白い蒸気が轟音を立てて噴出し、噴気で岩肌は黄色く染まっている。なんとも荒々しく、見ごたえがあった。硫黄の匂いが鼻をつく。 いったんR391に出て数百m南下し、再び道道52号線に入ると、摩周湖までの峠道である。整備されたかなりのワインディングで、攻め甲斐があった。北海道ではなかなかこういった峠道にはお目にかかれない。どうせ1本道、ウメは全開で攻めた。フクちゃんもがんばったが、あっという間にウメの姿は見えなくなってしまった。ネーネは安全運転に徹した。途中、ハーレーだろうか、コーナーに突っ込んで大破していた。(本人は仲間に取り囲まれていて、怪我の状況までは不明。) 摩周湖は霧で何も見えなかった。ガッカリである。 | |||||||
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8月12日(月) | 天気:曇り時々雨 | ||||||
予報によると、今日は曇り時々雨ある。天気がよければ釧路湿原を見ようと思っていたが、それは諦めて富良野に直行することにした。…と、その前に摩周湖に再チャレンジ。…が、やはり霧で何も見えなかった。残念! 阿寒湖でアイヌコタンを見て、R241をひたすら南下し、帯広駅前で記念撮影。更にR38を富良野に向かって走っていると、清水あたりでついに雨が振りだした。あとは淡々と走るのみ。 富良野に入ると、雨は止んだ。そして本日の宿、麓郷ユースホステルに到着。今日の道は交通量が多くてペースが上がらず、また常に山間部を走る割りにはワインディングもなく、なんとも面白みに欠けていた。 夕食までにまだ時間があったので、麓郷の森に行くことにした。麓郷の森は、ただでせさえ宿から近いのに、バイクで行ったのであっという間に到着した。ネーネ、フクちゃんは初めてだが、ウメは「グレートツーリング '90 in 北海道」以来である。当時と比べていっそう観光地化が進んだ感があるものの、ケバケバしいものではないのがいい。「北の国から」の黒板五郎さんの2番目、3番目の家も健在だ。 | |||||||
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8月13日(火) | 天気:晴れ | ||||||
昨日とはうって変わって、晴れ渡ったなんともすがすがしい天気である。 まずは宿から少し東に走って、五郎さんの5番目の家を見た。石造りの家はロケ中(あいにく役者はいなかった)ということで、少し離れた所からしか見ることはできなかったが、「北の国から」ファンのウメは満足していた。 美瑛に向かう前に、夕べ宿のオーナーに教えてもらったラベンダー畑にも寄った。ラベンダーはもう終わってしまっていると諦めていたのだが、どうしてどうして、この未舗装路沿いにある個人経営の農園では満開である。しかも穴場らしく、観光客がほとんどいない。羊の頭をなでたり、しぼりたてのおいしい牛乳を飲んだりして、しばしのんびりと過ごした。 美瑛でも、やはり夕べ教えてもらった、あまり観光客が来ないけど眺めのいいスポットを廻った。広大な畑がひたすら続く風景は、まさに北海道ならではのものだ。ここは自転車でゆっくりと走ったほうが気持ちよさようだ。 今日の最終目的地は支笏湖だ。ここ(美瑛)から支笏湖までのルートは、いくつか考えられる。まずはR237を日高まで南下し、西に向かうコースA。これは途中まで来た道を戻ることになるし、交通量も多い。お次は旭川まで北上し、神居古潭から道道4号線に入り、そのままR452にアクセスして夕張まで南下し、西に向かうコースB。ただし3人の内、誰も走ったことがないこのR452、地図上では未舗装区間がある細い道ということになっている。昨日の雨でだいぶ荒れているかもしれない。北海道の道は、整備されているからと調子に乗って走っていると、いきなりダートになってひどい目に遭う、なんていうことがよくある(らしい)。最後は旭川まで北上し、道央自動車道に乗って一気に支笏湖付近まで南下してしまうコースC。一番お気楽なコースである。 ウメとネーネは確実に快適に行ける道にしようと言った(コースC)。ところがフクちゃんはコースBで行きたいと言う。自分のペースで北海道をソロツーリングしてみたいのだ。なるほど、それもいい。ということで、フクちゃんはコースBに決定した。そしてウメとネーネはコースC。地図上では遠回りになるが、結果的には時間と体力を節約できるはずだ。 しばらくは3人揃って走り、神居古潭でフクちゃんが左折して道道4号線に入った。ウメとネーネはそのまま10km程走り、深川ICから道央自動車道に乗った。 高速は交通量が少なく、快適に飛ばすことが出来、千歳ICまではあっという間であった。道道8号線を走り、支笏湖まであと僅かという所の信号待ちで、ネーネのZXR250が突然エンジンストップ。再スタートが出来ない。2人は路肩にバイクを停め、原因を探った。ガソリンを入れてからまだ100km位しか走行していない。いくらなんでもガス欠なんてことは…と燃料タンクを覗いて見ると、ガス欠であった!予備タンクに切り替えたらエンジンがかかった。スタンドのねーちゃんは、バイクへの給油に慣れていなかったようだ。「(ネーネ)そういえば〜、入ったガソリンの量がやけに少なかったよ〜。」次のスタンドで給油したら、やはりガソリンタンクの総容量から予備タンクの容量を差し引いた分だけしっかりと入った。 スタンドから本日の宿、支笏湖畔にある支笏湖ユースホステルまでは目と鼻の先であった。駐車場にはどこかで見たバイクが…、フクちゃんである!ウメは驚愕した。なぜなら、いくら遠回りとはいえ、高速の方が絶対に到着時間は早いと踏んでいたからだ。恐るべし北海道の一般道! R452は標高差の少ないひたすらワインディングで、快適な道であった。確かに部分的に細くなったり、一部分ダートもあったが、大して問題にはならず、ハイペースで飛ばすことができたのである。「(フクちゃん)今回走った道の中では最高でしたよ。」「(ウメ)うぬぬ…。悔しい…。」「(ネーネ)ね〜、夕食バーベキューだってよ〜。」 | |||||||
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8月14日(水) | 天気:晴れのち曇り | ||||||
今日は函館まで南下し、明日、フェリーで青森に渡り、そして東北で2泊して帰る予定である。ところが台風が接近中で、ヘタをすれば明日、北海道に上陸するというのだ。嫌な予感がする。 支笏湖畔の「苔の洞門」に寄ってから函館に向けて出発した。 R276→R453と走り、洞爺湖で休憩。バイクを停めた湖の南側は観光地化が進んでおり、ひっそりとした雰囲気は味わえなかったが、湖のど真ん中に位置する中島越しに見える羊蹄山がきれいである。 R5は交通量が多く、なかなかペースが上がらなかった。長万部で昼食。カニ料理に舌鼓を打つ。しかし、どうやら長万部でカニが捕れるのではないようである。昔は何もない所で、観光客獲得の為にカニを売り始めたらしい。 16時頃、函館ユースゲストハウスに着いた。チェックインし、函館の街に繰り出す。倉庫を改造したレストランでの生ビールは最高であった。(ネーネはコップ半分) 夜の天気予報は絶望的なものであった。大雨、強風、波浪警報が出ている。かんべんしてくれ。 | |||||||
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8月15日(木) | 天気:雨 | ||||||
朝、雨が激しく降っている。風も強い。台風は青森付近を北上中で、天候の回復はしばらく望めそうもない。それでも一応フェリー埠頭に行ってみた。 案の定、予約していたフェリーは欠航!他の便も全て出港の見通しはたっていないという。3人は協議した。そして、どの道こんな天気じゃ観光どころではないし、とりあえずここで様子を見ることにした。フェリーが動けば青森に渡るし、ダメなら函館で宿を探そう。 しかし、人でごったがえすフェリーターミナルで暇を潰すのは、苦痛以外の何ものでもなかった。予約番号を呼ばれたら受け付けに行かなくてはならないので、ターミナルを離れるわけにはいかないのである。待合所の席は全て埋まり、階段や床に座り込む人が大半であった。3人は階段に陣取った。昼食はさんざん並んだ末、食堂で食べることができ、コーヒーを追加注文して粘ったが、さすがに良心の呵責に耐えられなくなって席を立った。もはや床にすら座れる場所はなく、外のひさしの下で震えながら立っていた。 そして台風が過ぎ去った15時頃、ついにフェリーが動き出した。可能な限り、持てる船を総動員してのピストン輸送である。とはいっても、順番が来るまでにはだいぶかかりそうだ。恐らく夜遅くになるのでは?あるいは再び欠航になるやも知れぬ。とにかく今夜、秋田県に予約している宿に泊まるのは不可能であり、そこはキャンセルすることになった。とすれば以後の行程にも誤差が生じるわけで、結局明日の宿もキャンセルしてしまった。宿のことは本州に入ってから考えよう。 19時過ぎ、霧雨の中、3人を乗せたフェリーは函館を後にした。さらば、北海道! フェリーの中では、大阪から来た女性ライダー(CBR250RR)との会話が弾んだ。この関西弁で機関銃のごとくしゃべりまくる女性、なんと、青森に上陸したら一気に大阪まで帰るのだという。最初は呆れたが、それに比べれば長野は大した距離じゃない…なんて思えてきてしまった。 23時頃、青森港に到着。今更宿なんて取れっこない。もうどうにでもなれ!行くか?一気に!! 3人は覚悟を決めた。フクちゃんはせっかくだから日本海側を南下してみたいという。しかしそれではひたすら一般道ではないか!?ネーネがもたないと判断したウメは、高速を使うことにした。小雨の中、お互いの無事を祈りつつ、フクちゃんは日本海側を、ウメ、ネーネ、なにわのねーちゃんの3人は東北自動車道を南下するべくフェリー埠頭を出発した。 | |||||||
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8月16日(金) | 天気:雨のち晴れ | ||||||
夜中の東北自動車道はすいていた。雨は鹿角を過ぎたあたりで上がり、星も見えるようになった。涼しいし、これは意外と快適なツーリングになるのでは?と思われた。途中、何度か休憩し、福島西ICでウメとネーネは高速を降り、なにわのねーちゃんと別れた。 R115で2人は猪苗代湖を目指す。途中の峠で朝日が顔を出した。気合の入ったクルマが何台も峠を攻めている。そういえば数日前、オユタが夜中に地元の峠を攻めに行ってランエボとバトルして敗れ去り、帰り道におばあさんをはねて骨折させたのであった。(エピソード「対決!!クルマvsバイク!!」を参照) ウメはコーナーを知り尽くしたクルマにバイクが勝てるとは思わなかった。しかし休憩所から前に出てきた86レビンならなんとかなるだろうと、加速した。っと更にアルトワークスが出てきた。「邪魔だ!!」峠の登りにおいては軽自動車ごときは相手にならず、一気に抜き去り、レビンを追いかけた。ロールバーまで入れたこのレビン、しょせんは旧車なのか、ドライバーが単にヘタクソだったのか、ヘアピンカーブでは差が縮まらなかったものの、高速コーナーでは充分付いていけたし、立ち上がりの加速なんて、あくびが出る…ということでコーナーの立ち上がりで抜き去ってやった。そしてあっという間に奴はバックミラーから消えていった。(その直後、ウメはオーバーランしてきた対向車のシルビアと危くぶつかるところであった。) 頂上付近のドライブイン(当然まだ開いていない)で遅れてきたネーネと合流し、朝日をバックに記念撮影。実は既に疲労と眠気が2人を激しく襲っていた。 猪苗代磐梯高原ICから磐越自動車道に乗り、新潟を目指す。磐越自動車道はまだ北陸自動車道と繋がっていないので、途中、いったん国道に降りなくてはならなかった。それでも道はガラガラなので北陸自動車道に入るまでは大して時間はかからなかった。 日本海が見えたところで2人は眠気に耐え切れなくなり、PAに寄って芝生の上に寝転んだ。早朝ということもあり、他に人は誰もいない。2人きりになってちょっとムラムラときたウメであったが、この時ネーネはカンちゃんと付き合っていたので、ぐっとこらえた。朝の日差しが心地よく、ここまで来れば、このままお昼まで寝てもいいかな?なんて思い始めた時、ポツリ…と冷たいものが降ってきた。見上げると、ついさっきまで晴天だったハズの空が、どんよりとした雲に覆われている。しかも、更に黒く、厚く、低い雲がみるみるこちらに近付いてくる!雨はだんだんと激しくなってきた。このPAには屋根付きの施設といったらトイレくらいなものである。2人は出発を余儀なくされた。幸い、雨雲は進行方向にはなく、カッパを着ずに済んだ。 9時頃に関越自動車道との分岐点を通過。交通量が増え、気温もぐっと上昇した。やがて1車線区間になり、いくつかのトンネルを抜けると、いきなりたたきつけるような激しい雨が降っていた!前もよく見えない!路肩に停まってカッパを着るわけにもいかず、とにかく次のPAまで耐えるしかなかった。…っと、数分で雨は止んだ。ずぶ濡れになってPAで来た方角を見ると、一部分だけ空が黒くなっていた。早朝の雨雲が先回りしていたのであろうか? 上越ICで高速を降り、R18を南下する。しかし、この国道は長野ICまで断続的に渋滞していた。疲労は溜まっていたが、睡眠不足で逆にハイテンションになっていたことと、自宅までもう少しなのだという気持ちでこの渋滞をなんとか乗り切り、長野自動車道へ突入。 小布施PAで朝食兼昼食を食べ、一休みした後に出発。豊科ICでウメが降り、塩尻在住のネーネと別れた。2人とも帰宅後は死んだように眠りに就いたのは言うまでもない。青森港を出発してから約14時間。長い長い戦いであった。こんな強行軍は2度と御免である。 一方フクちゃんは、ひたすら一般道を日本海側沿いに南下した。秋田県に入ると雨が上がり、道はガラガラで、ハイスピードで走ることができた。途中、コンビニ等で何度か休憩し、直江津からR148へ。そしてついに一般道のみで自宅に帰り着くことに成功したのである!しかも、高速組との時間差は僅か2時間遅れ!「(フクちゃん)青森から山形にかけての日本海側沿いの道はおもしろいのでお勧めですよ!」 今回のツーリングは行き帰りが天候に恵まれず、計画を変更せざるを得なかった。特に帰りはハードであったが、結果的にツーリングを通して1番元気だったのはネーネなのであった。 |
グレートツーリング外伝 '96 in 伊東 |
メンバー(マシン) | ウメ(ZZ-R1100)、オユタ(CBR900RR)、カンちゃん(FZR250R)、トモちゃん(ZXR750)、ネーネ(ZXR250)、ヒデ(VFR400R)、マコちゃん(ZZ-R400)、スペシャルゲスト:アズ(XV250 VIRAGO)、スペシャルゲスト:カズさん(VRX400)、スペシャルゲスト:グッチ(ゼルビス250)、スペシャルゲスト:ドテッチ(バンディット250) |
“トモちゃんとネーネにもっと女性ライダーの仲間を”ということで、女性向けバイク雑誌でツーリング仲間を募集したところ、数多くの手ごたえがあった。そして実現したのが今回のツーリング。4名のニューフェイスを加え、なんと、男性よりも女性の方が多いという(野郎にとっては)うれしい事態になった。 |
10月26日(土) | 天気:曇りのち雨 | ||||||
雨が降ったらクルマにする予定であったが、予報は曇りだったので(明日は晴れ)、予定通りバイクで決行した。 8時30分、長野自動車道みどり湖PAに集合。中央自動車道原PAでアズと合流し、総勢11台のバイクが揃った。さすがにこれだけの数になると、先頭のウメからは最後尾のオユタを確認するのが難しい。高速は80km/h巡航の安全運転を心掛けた。 一宮御坂ICからR137に入り、河口湖経由で山中湖を目指す。道はすいている。とりあえずウメはいつものGTECペースで走ってみた。やはりトモちゃん、ネーネ以外の女性陣は付いて来れない。特にグッチとドテッチはほとんど初心者なのだ。それでも普通にクルマの流れに乗って走るのに問題はなかった。今回のツーリングで腕を上げてくれればいいが…。山中湖のレストランで昼食タイムとした。 山中湖からR138を南下して御殿場を抜け、箱根スカイラインに入ろうかという時に、なんと雨が降りだした。すかさず全員カッパを着用。伊豆とはいえ、10月の終わりの雨は冷たかった。路面がドライであれば、この道が今日のメインイベントだっただけに、実に残念だ。途中、ドライブインで暖を取り、なんとか箱根スカイライン→芦ノ湖スカイライン→熱海峠をクリア。熱海に入る頃に雨は上がり、R135を南下して、無事に伊東市の伊東ユースホステルに到着。 ここでみんなはカンちゃんがいないことに気が付いた。宿の近くで給油した時、彼は最後にスタンドを出て信号に引っ掛かったのだ。しかしウメからは最後尾は見えないし、他のメンバーも宿の地図を持っているカンちゃんを気に留めなかった。ところが信号が青に変わり、彼は見えなくなったみんなを追いかけて宿の入り口を通り過ぎてしまったのだ。結局30分くらい経ってからカンちゃんはやって来た。かなり南下してしまったようだ。先頭以外のメンバーも、地図は頭に入れておかなくてはダメである。 | |||||||
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10月27日(日) | 天気:晴れ | ||||||
晴れ渡った、すがすがしい朝を迎えた。関東甲信越の天気予報は、ズバリ晴れである。 宿のそばにある城ヶ崎海岸を見た後、出発した。まずは修善寺を目指すのだが、昨日雨によってワインディングを攻められなかったウメとヒデはもんもんとしており、R135を10kmほど北上してから県道12号線(伊東修善寺線)を行くことを提案した。しかしこの道はひたすら細いワインディングで、初心者にはかなりきついと思われ、残りのメンバーはマコちゃん先頭で県道111号線(遠笠山富戸線)を西進し、伊豆スカイラインに入って北上する最も無難な最短コースを走り、冷川ICの料金所出口付近でウメ達と合流することにした。 ウメとヒデは水を得た魚のごとく飛ばしまくった。抜いたクルマは数知れず…。いくら遠回りとはいえ、これだけ飛ばしたのだから、合流地点には先に着くだろうと2人は思った。案の定、冷川ICの料金所出口付近には誰もいなかった。「(ウメ、ヒデ)勝った!」ところがいくら待ってもみんなはやって来なかった。「まさか…。」少し先に走ってみると、既にみんな待ちくたびれていたのである。さすがは有料道路、伊豆スカイライン恐るべしである。「(ウメ、ヒデ)負けた…。しかしここはどう見ても料金所前ではないぞマコちゃん。」 修善寺からR414を北上し、江浦湾の物産センターで海産物のお土産を買い、沼津バイパス経由で富士宮道路に入った。もうすぐ11月だけあって、標高が上がるにつれて寒くなってくる。朝霧高原ドライブインでホット缶コーヒーを飲んで体を温める。 甲府南ICから中央自動車道に乗った時には薄暗くなっていた。各自最寄りのICで降り、無事にツーリングは終了した。ちなみにウメ、オユタ、ヒデは、休憩した双葉SAから30分程で豊科ICに到着したらしい。 なんか、思いっきり下心丸出しで企画されたのがこのツーリング。初日は雨に降られて辛い思いをしたが、苦楽を共にしたおかげか、結果的に2組のカップルができ、結婚までしてしまった。グレートツーリング万歳!! |
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